コロナ禍で私学の教育環境に魅力を感じる家庭が増え、活況を呈していた首都圏の小学校受験ですが、2024年度の入試はブームに一服感がみられました。最新動向について専門家が解説します。この項では、首都圏の小学校の受験概況について、専門サイト「お受験じょうほう」を運営するバレクセル代表・野倉学さん、ジャック幼児研究所理事の吉岡俊樹さんに話を伺いました。「AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び 2025」(朝日新聞出版)からご紹介します。

MENU コロナ禍のお受験熱に一服感 立地や入試日程なども人気のファクターに

コロナ禍のお受験熱に一服感

 教育の選択肢の一つとして定着しつつある小学校受験。2024年度の首都圏の私立小の合計志願者数は昨年度に比べて微減したが、それでもコロナ禍前より高い水準を維持している。

※1 志願者数の数値は対象校である私立97校のうち、5年連続数値が判明した学校のみを集計
※2 文部科学省学校基本調査から国公私立小学校1年生児童総数をもって入学者数とした。2024年度分の確定値は2024年12月に文科省から発表予定
※調査対象は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の私立97校。うち、5年連続数値が判明した学校を集計。(出所)お受験じょうほう

 志願者数を見て、「コロナ禍で過熱した小学校受験への関心がひと段落した」と語るのは、40年近く小学校受験の指導に携わるジャック幼児教育研究所理事の吉岡俊樹さんだ。コロナ禍の受験では、入試日程がイレギュラーになることが多く、受験者ひとり当たりの併願数が増加したが、「今年度はわが子に合った学校をしっかりと考え、志望校を絞り込むご家庭が増えたのでは」と分析する。

 小学校受験の専門サイト「お受験じょうほう」を運営する野倉学さんは、「地域によっては、少子化が志願者数にダイレクトに影響している」と指摘。東京23区、神奈川県の一部以外は人口減のインパクトが大きい様子だ。

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澤田聡子
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