矢萩:統計的にそうなるとわかっている。今から急に10年後の18歳人口が増えることはありません。だから、大学受験が変化するのは確実なんです。でも、どう変化するかはわからない。にもかかわらず、相変わらず中学受験塾から従来通りの宣伝が来る。この2つの事象をロジカルに繋げるには無理があります。違和感を持たないといけません。それをあたかも因果関係があるように見せて、どうなるかわからないから中学受験をしたほうがいいと思わせる。そういう術中にはまってしまっていないか、ちゃんと検討する必要があります。お母さんが乗り気だという表現からは、はまってしまっているように見えます。
低学年家庭からの中学受験相談が増えている
安浪:今は小学校低学年のご家庭から中学受験の相談を受けることが本当に増えて、みなさん何かと不安になっているんだと思います。まさに矢萩さんの息子さんもそのぐらいの年なのでは?
矢萩:今まだ5歳なので、ちょっと下ですね。うちは中学受験はしても、しなくてもいい派です。本人と状況次第ですね。今は保育園に通っているんですが、自由奔放で意志が強い子なので、保育園の先生からは息子さんは公立の小学校には合わないかもしれない、私立向きかも、とか言われたりすることがあるのですが、行ってみないとわからないことのほうが多いですから、聞き流しています(笑)。
安浪:さすが矢萩さんの息子さんですね。
矢萩:いやいや、でもあえて似ているところがあるとするとすれば、何かやれと人から言われるのは嫌い。だからなるべく放っておくようにしています。
安浪:なるほど。放っておきながらも何か気をつけていることはありますか?
矢萩:放っておくとやはりゲームばかりやっちゃうことですね。僕はゲームをやること自体はそんなに悪いことではないと思うんですが、iPadで無料のゲームをやると、次々に広告が出てきて次のゲーム、次のゲームとなって、しかもそのゲーム自体が全然頭を使わない、ほとんどやる意味のないゲームだったりするわけです。一方でYouTubeも一つの動画を見ると次、この動画見ますか、みたいに引っ張られる構造があるじゃないですか。だからやっぱり、どんなデバイスでどんな動画を見せるのか、とかどのようなゲーム機でどのようなゲームをやらせるのか、みたいなところは、大人がきちんと管理しないといけないな、と思っています。
次のページへ生きていく上での基礎学力