●肥満度の計算式

 この計算式で算出された肥満度で+20%以上、かつ有意に体脂肪率が高い場合(※)に、注意が必要な肥満といえます(学童では肥満度が-20%から+20%未満は正常)。体重を入力するだけで簡単に肥満度が計算できるアプリもありますので、活用して調べてみましょう。

※体脂肪率が、18歳未満男子は25%以上、11歳未満女子は30%以上、11歳以上~18歳未満の女子は35%以上の場合。

――子どものうちに肥満になると、将来かかりやすくなる病気もあるのでしょうか?

 子どものうちに肥満度20%以上の肥満になると、将来的に高血圧や睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、脂肪肝、心臓疾患などの生活習慣病にかかりやすくなります。

 肥満度以外にも子どもの肥満の目安として、「小児メタボリックシンドローム診断基準」もあります。メタボリックシンドロームとは、「内臓脂肪型肥満」のことですが、これは腹囲の測定でわかります。小学生の場合、腹囲75センチ以上または身長の半分以上になっている場合に内臓脂肪型肥満とされ、将来的に動脈硬化や心臓疾患など、生命に関わる心血管疾患へのリスクが高まります。

――体だけでなく、心にも影響はありますか?

 そうなんです。近年、肥満は体の病気だけではなく、心の不調を引き起こすこともわかってきました。心理的な影響として、自尊心の低下やうつ病リスクが高まることも指摘されています。国立精神・神経医療研究センターが約1万2000人を対象に行った大規模調査によると、肥満傾向の人はそうでない人よりもうつ病リスクが1.6倍高くなるという結果が発表されています。とくに、朝食をあまりとらず、間食や夜食が多く、運動量が少ないケースでうつ病リスクは高くなっています。

 さらに、肥満をきっかけにいじめやからかいの対象になることも多く、そうした心理的なストレスも加わって、引きこもりや不登校につながるなどの悪循環が生まれやすくなります。

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