「つまらない」「難しい」……子どもたちからあまり評判のよくない読書感想文は、本の選び方に注目すると、グンと楽しくなります。感想文もスラスラ書ける「本選び」の方法を、読書のオンライン習い事「ヨンデミー」の笹沼颯太さんが徹底解説! 子育て情報誌「AERA with Kids2024年夏号」(朝日新聞出版)からご紹介します。※後編<読書感想文が楽しくなる! 読後の“親子の会話”がそのまま下書きになる「感想マップ」とは?>に続く

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読書感想文は、好きな本をもう一度楽しむ場

――夏休みの宿題の中でも、親子でユウウツ度が高いものが読書感想文です。どうすれば、少しでも楽しく書けるでしょうか……。

 強制的に本を読まされ、強制的に膨らませて思ってもいないことを書くのは苦行ですよね。読書感想文をきっかけに、本が嫌いになってしまう子どももたくさんいます。

 読書感想文は、好きな本の「楽しかった」ことを伝えるのが基本だと思うのです。たとえば、おもしろい映画を見たあと、誰かと感想を話し合って盛り上がることがありますよね。あの感覚です。

 好きな本なら、子どもも「話したい、伝えたい」という気持ちを抱くものです。すると、次のような効果が期待できます。

1.書くのが楽しい!

 好きな場面を伝えたり、感じたことを表す最適な言葉を考えたり。この作業がむしろ楽しく感じます。

2.自分らしさが出せる

 気持ちや経験……借り物やまねではない自分の言葉だから、オリジナリティーあふれる文章になります。

3.自分の言葉で書ける

 楽しく読めた本は、なにかしらの思いがちゃんと残っているもの。その思いを言葉にすればいいのです。

 ですから、読書感想文を書くための準備は子どもの好みに合致する本に出合うこと。子どもの「考える・感じる」といった部分が刺激される本なら、読書感想文も楽しく書けるのです。

本選びの前に、覚えておきたい二つの心得

――子どもがハマる本選びのコツ、さっそく教えてください!

 やみくもに本を選ぶより、選ぶ「目安」を知っているとより見つけやすいものです。まず、そのポイントを二つ伝授しましょう。

1.好みのジャンル

 感想文を書くなら、子どもの好みのジャンルがいちばんです。その提案をしてあげられるのは、子どもをよく知る親御さんだと思います。ある程度ジャンルを絞って、その中から子どもが選べるようにするといいでしょう。

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「Yondemy」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る24歳。

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