この時点で大切なのは、本をたくさん読むことではなく「子どもが自分で立てた目標を達成すること」です。また、自分が立てた計画に対して、どれだけ印がたくさんついているか、達成できているか。進捗が一目でわかることも大いにやる気に影響してくるので、「カレンダー」が最適なのです。

「目標を達成するために読む」から「読みたいから読む」に変わるまで

――――カレンダー作戦、すぐにできそうです! 親子で話しながら決めるといいですね。

 そうですね。親御さんが計画を立ててみない?と誘ってみて、親子で相談しながら、最終的に子どもが決めるイメージです。先ほどもお話しましたが、大人が「毎日読もうね」と決めてしまっては子どもの計画になりません。子どもが自分で言ったことを、自分で守るというサイクルにするのがポイントなのです。

 また、たとえば最初の一週めは「週に4回、2ページ以上読もう」と子どもが決めたとします。そして「頑張れたら、次の週は5回にしてみようかな」と、その内容を変えるのも子どもです。子どもが自分で決めるから、守りやすいのです。

 いちばんはじめの週は、計画をクリアできたらお菓子などのごほうびなどがあってもいいと思います。モチベーションが上がりますし。でも、繰り返していくうちに「自分が立てた目標だから達成したい」という気持ちや、達成することで「自分は本が読めるかも……!」という自信が子どもの中に生まれてきます。そのときにはごほうびはもう関係なく、自分が読みたいから本を読むようになるんですよね。

 「本当に、本が苦手」というなら、まずは「本を開く」ことから始めてみましょう。一日一度、読むまではいかなくても、本を開けばOK。本に興味がない子どもは、ページすら開きませんから、開いただけでも大きな進歩。そうやってだんだん続けていくことで、「あ、できるかもしれない」という気持ちになってきます。こんな前向きな気持ちが、読書につながります。

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