小学校入学前に算数の“量感”を鍛えておくと後で差がつく!

――小学校で算数を習う前に、身につけておくといい力はありますか?

川島:計算を単なる記号や作業ではなくて、そこに“量感”があることがイメージできるといいと思いますね。たとえば8両編成の電車を見たら、車両が8個つながっていることが量としてわかるという感覚です。あとは、京子先生もおっしゃっていましたが、折り紙遊びなどで手先を器用にしたり、「考えるのが楽しい」と思えることは大事だと思います。

安浪:今、折り鶴が折れる子って本当に少ないんですよね。そう考えると昔の遊びもおすすめですね。あとは、お勉強にならない範囲で「10の補数」をやっておくといいですよ。10個のリンゴを「3と7」、「4と6」、「5と5」に分けるといった感じで、日常生活の中で遊びながら形や量でとらえていくのがポイントです。

川島:補数遊びもいいですね! ほかに、体積でも長さでも時間でも、1kmや10㎏、100秒がどのくらいのことを表すのか、リアルなものでイメージできると、算数でも見当がつくし、ありえないミスが防げたりすると思います。

安浪:鉄道が大好きな“乗り鉄”の中に、運転席の後ろにかじりついて時速計を見ている子がいますよね。速度が速いとメモリがどっちにふれるかなどを体験していれば、それこそ速さの問題もイメージしやすくなります。あとは、小学校で渡される九九カードや、よくお風呂にはってある九九表も、ただ暗唱しておしまいじゃもったいない。もっと数字で遊んでほしいんです。たとえば、九九表だったら、「斜めに見たらどうなる?」「1個飛ばしだと何か特徴あるかな?」などとお風呂で一緒に遊んでいると、規則性が見えてくる。もしわが子が何かの規則を見つけたら、「すごい!ママ(パパ)気づかなかった!」とオーバーリアクションしてあげてくださいね。

川島:今回この図鑑を監修する中で特にこだわったことは、「身近なもので考えること」。たとえば繰り上がりに関しても、一方的に教えるのではなくて、10円玉と1円玉を使って「なんで桁が存在すると思う? 1円玉32枚だと困るでしょう」と考えるヒントを与えているんです。

『角川の集める図鑑GET! あそべる算数』(KADOKAWA)から
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