今の子は文字がしっかり書けない子が多い!?

――未就学児におすすすめの算数脳を育てる遊びはありますか?

川島:幼少期は五感を刺激する外遊びをたくさんしてほしいですね。時間は有限ですから、家の中でゲーム漬けはもったいない。それもあって、私が開発した知育アプリ「シンクシンク」(https://think.wonderfy.inc)は時間制限を1日10分と決めているんです。もちろん、図鑑を眺めたり本を読んだり、時にはぼーっとする時間もすごく大事だと思いますよ。

安浪:子どもたちを指導していて感じるのは、「鉛筆が持てない子が多い」こと。今の子は「字を書くと疲れる」と言うんです。デジタルネイティブな彼らは、鉛筆を持つと力が入らなくて字がふにゃふにゃ。それでは計算式も漢字も書けません。そのためにも、幼少期は指先を使う遊びをしてほしいですね。折り紙とか粘土、あやとりなんかもいいかもしれませんね。

 こういう話をすると「習い事はピアノ? そろばん?」となりがちなんですけど、教室に入れればいいというわけではなくて。家の中でも外でも指先や五感を刺激する遊びはできますからね。習い事を否定しているわけではないんですけど、せっかくやる気になっても「ハイ、今日はここまで」と時間で区切られてしまうのはもったいないなと思っていて。特に未就学児は集中するまでに時間がかかりますから、ゾーンに入ったら時間を気にせず遊ばせてあげてほしいですね。

親が「算数=つまらないもの」ととらえないで!

――算数の好き嫌いは、家庭での過ごし方や親の関わり方に影響を受けるものですか?

川島:影響は受けると思いますよ。できないことに対して親がマイナスな言い方をしていたり、算数をつまらないものとしてとらえていたり、よくできたらご褒美を与えたりしていると、算数が苦行であり修行になってしまうので、そうなると好きにはなりにくいですよね。

安浪:もちろん親の影響はあると思いますが、生まれながらに興味を持つ子とそうじゃない子がいるもの事実。あとは、算数という科目にわが子をはめようとする、つまりテストの点数だけを求めると、逆効果なこともありますね。川島先生もおっしゃっていましたが、「ママ苦手だから」といったネガティブワードではなくて、できたことを「すごい!」と認めながら、一緒に楽しむ姿勢が好きにつながるのではないでしょうか。算数に限らず、やらされるのではなくて、いかに楽しいもの、面白いものと思わせるかがポイントだと思います。

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