引っ込み思案で内気、声が小さくて恥ずかしがり――。内向的な子どもをもつ親は、「このままで大丈夫?」など、不安な気持ちになることもあるでしょう。しかし「内向的だからこそ持つ長所を最大限に伸ばすことが、親子にとって大切なのです」と、元スクールカウンセラーで臨床心理士の吉田美智子さんは言います。著書『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、内向型とHSC(Highly Sensitive Childの略)型の二つのタイプについて、それぞれの接し方を紹介しています。

MENU 【学校の悩み編】先生と友だちに、自分のやりたいことや気持ちを言えない 【内向型】〇「しっかり自分で考えるのは大切なことだね」と伝える 【HSC型】〇「言えそうなときに思い切って言ってみよう」と伝える × 「なんで言えないの?」 ×「いじめられたり、仲間はずれになっても知らないよ」 ×「だから言ったでしょ」

 まずは、子どものタイプが内向型かHSC型か、チェックしてみましょう。当てはまる数が多いほど、その性質の傾向が強くなります。同数の場合は、子どもの様子を見ながらどちらの性質で困っているのか判断しましょう。

【学校の悩み編】先生と友だちに、自分のやりたいことや気持ちを言えない

 内向・HSC型の子どもは、それぞれの性質から、自分の気持ちや考えを伝えるのが不得意です。「自分の気持ちを言えないと学校で困るのでは?」「大人になったら将来困るだろう」と親が不安になるのもわかります。でも、学校などで経験を積み重ねながら、少しずつ自分の気持ちを言えるようになるものです。その成長を応援するために、子どもの性質を肯定して、今できることを教えてください。

 では、やりたいことや気持ちを表現してほしいとき、内向・HSC型の子どもにOKな接し方をみていきましょう。

次のページへOKな接し方は?
著者 開く閉じる
吉田美智子
臨床心理士・公認心理師 吉田美智子

はこにわサロン東京・代表。外資系企業勤務後、心理臨床の道を志す。臨床心理士の資格取得後は、東京都・神奈川県・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年はこにわサロン東京を開室。主な技法は、ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析。子育ての相談、親子関係、トラウマケア、ストレスケア、アンガーマネジメントなどの相談に携わる。日本経済新聞・読売新聞・日経クロスウーマンなどに寄稿し、メディアでも活躍中。

1 2 3