内向的な子どもは、初めての挑戦を嫌がったり、失敗すると怒ったり泣いたりしてすぐにあきらめてしまうなど、「チャレンジができない」というケースも多くあるようです。こんなとき親はどのようにサポートし、声がけをするのがよいでしょうか? 元スクールカウンセラーで臨床心理士の吉田美智子さんの著書『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、内向型とHSC(Highly Sensitive Childの略)型の二つのタイプそれぞれの接し方を紹介しています。

MENU 【日常生活のお悩み】チャレンジできない 好きなことへの「チャレンジ体験」が効力感を生む 【内向型】〇「わたし(親)はできると思うけどな〜」と親の意見を伝える 【HSC型】〇子どものそばにいて、緊張しない場所をつくる ×「失敗してもいいからやってごらん」 ×「もっとこうしたほうがいいよ」 ×「ちゃんとがんばりなさい」

 まずは、子どものタイプが内向型かHSC型か、チェックしてみましょう。当てはまる数が多いほど、その性質の傾向が強くなります。同数の場合は、子どもの様子を見ながらどちらの性質で困っているのか判断しましょう。

【日常生活のお悩み】チャレンジできない

 自転車の練習中に転ぶと、泣いてすぐにあきらめてしまう。折り紙が上手に折れないと、怒って投げだしてしまう。ダンス体験に連れていくと、他の子どもたちは初めてでも楽しそうに踊っているのに、固まって親から離れようとしない。このように、チャレンジを怖がってしまう子どもは多くいます。

 子どもが失敗を嫌がるのは、物事の理解や予測ができないことに関係します。初めての自転車や折り紙がうまくできなくても、練習したらできるようになることは、大人には自明のことですが、子どもはまだそれがわかりません。

 できないことがわかるとびっくりしたり、腹を立てたり、悲しんだり、固まったりするのです。感情を表現することは、子どもなりのストレス発散で、固まるのは怖さを最小限にとどめる方法です。大人は、子どもなりに対処しようとしていると理解して待ってあげましょう。

 子どもが失敗したときは、「グッジョブ!」と言ってハグしてあげるなど、親は失敗しても気にしないし、子どものチャレンジを素敵なことだと感じている姿勢を伝えられるといいですね。すると、子どもは少しずつ失敗への不安をやわらげていけます。

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吉田美智子
臨床心理士・公認心理師 吉田美智子

はこにわサロン東京・代表。外資系企業勤務後、心理臨床の道を志す。臨床心理士の資格取得後は、東京都・神奈川県・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年はこにわサロン東京を開室。主な技法は、ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析。子育ての相談、親子関係、トラウマケア、ストレスケア、アンガーマネジメントなどの相談に携わる。日本経済新聞・読売新聞・日経クロスウーマンなどに寄稿し、メディアでも活躍中。

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