そろそろ1学期も終わりが見えてきました。楽しい夏休みを前に、気になるのが「通知表」。その通知表をもっと深く理解するヒントを、東京学芸大学附属世田谷小学校の木村翔太先生に聞きました。

MENU 「学習面」の評定、どうとらえればいい? 「生活面」は、正直微妙なところもあるのです 通知表を「たかが」「されど」の両面で見てみる 通知表は、子どもの成長を願ってわたされるもの

「学習面」の評定、どうとらえればいい?

――小学校の通知表は、3段階評価の通知表が主流の様子ですね。

 通知表には、学習面と生活面の評定、教員からのコメント(所見)などがあります。まず、学習面の評定についてお話しましょう。

 今は相対評価(ほかの人と比べた出来、不出来)ではなく、絶対評価(その子なりのがんばり)で評定をつけるのが基本になっています。とはいえ、完全な絶対評価ではなく、多少ほかの子どもと比較もして評定をつけるところもあるのが実情だと思います。

 正直、相対評価で評定をつけるほうが作業としては楽です。単純にテストの点数などを点数順に並べて機械的に割り振ればいいのですから。

 一方で、絶対評価で評定をつける場合、例えば、テストの平均点が90点だった子が平均点60点だった子よりもいい評定になるとは限りません。「君なら95点は取れるはずだ」、「君は今学期はじめて60点も取れたね!」、そんなメッセージも込められる……それが絶対評価だからなのです。

――その子どもの「がんばり」を見るのが絶対評価なのですね。テストの点数が上がったから、それが確実に評価に反映されるわけではないということがわかりました!

 そうなのです。見た目だけでなく、その裏にあるメッセージは、きっと親御さんならピンとくるのではないでしょうか。

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AERA with Kids編集部
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NEXT生活面は迷うところも
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