2024年度中学入試(社会)の傾向と対策を、文教大学地域連携センター講師の早川明夫さんが解説。今回は「資料読み取り問題の傾向」についてお伝えします。頌栄女子学院の社会で実際に出題された問題と解説も紹介します。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年6月号』(朝日新聞出版)からお届けします。
【問題を見る】実際の入試問題と解答はこちら(2枚)傾向1)初見の資料が多い
出題内容からみた際立った特徴は、表やグラフなどの統計、地形図、雨温図、史料、絵画、写真、文章、会話文など様々な資料の読解問題が大半の学校で出題されていることです。しかも、ほとんどの受験生にとって初めて見る資料が多い。例の頌栄女子学院中学校の問題で示されている資料は、文章・統計・分布図・グラフの4点。文章はさておき、他の資料は初見という受験生が多いと思われます。
なお、2024年度の国語の入試でも、湘南白百合学園中や大宮開成中などで資料読解の問題が出されています。
傾向2)五つのポイントをチェック!
見慣れない統計やグラフでも、あわてたり、戸惑ったりすることはありません。落ち着いてしっかり読み取れば解ける問題が多いのです。苦手な人も、数多くの資料問題にあたれば、問題を解くコツがつかめてきます。最もよく出題される、表やグラフなどの統計資料を読み解くポイントは次のとおりです。
統計資料は毎年のように変化します。その原因や理由を考えることは、学習の面白みでもあります。
東京都 頌栄女子学院中学校〈社会〉で実際に出された問題は?
アスファルトの舗装が進んだことで、自動車の通行にも耐えうる強い道路がつくられましたが、舗装率の高い地域において新たな問題が発生しました。アスファルトの特徴を示した以下のカードと資料を参考に、どのような地域でどのような問題が発生していますか。説明しなさい。
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