知的能力や、芸術や音楽など特定の分野で、優れた能力をもつ「ギフテッド」。わが子がギフテッドかもしれないと思ったとき、親はどのようにサポートすればいいのでしょうか。「ギフテッド」が抱える生きづらさとは? 発達障害の専門医、岩波明先生にお聞きしました。※前編<「ギフテッド」とは何なのか? 発達障害との関連は? 専門医に聞く>から続く
【図】ADHD、ASD、LDの子の特性はこちら(全3ページ)本人の困り事を見極める
――わが子が「ギフテッド」かもしれないと思ったら、親はどう支えればいいでしょうか?
ギフテッドとは、生まれながらにもった特性です。まだごく幼いときから漢字が書けたり計算ができたり楽器が弾けたり、親御さんは割合早い段階で、ほかの子とは異なる点に気づくでしょう。同時に、一定の分野で並外れた才能を持つギフテッドは、何かしらの発達障害を併発しているケースが少なくありません。
最初は、かんしゃくを起こす、言葉が出にくい、落ち着きがなく動き回って危ない、などといったことから気がつくかもしれません。お子さんに問題行動が見られた場合は、それが知的な障害によるものなのか、あるいは発達障害によるものなのか、その見分けをつけておくことは、やはり必要になるでしょう。
――どこに相談すればいいですか?
入学前であれば、3歳児健診や小学校の就学前健診である程度の見立てがつきます。あるいは、小学生になっていれば、専門の医療機関での受診を通じて、心理や発達についての検査や、知能検査を受けることが、その子にとって適切なサポートを得るために重要になってきます。これも学校を通じて地域の専門機関を紹介してもらえるはずです。
ただ、子どものうちは診断が固定化せず、揺れ動くこともあります。何度か受けていると、診断名が変わったり、あるいは診断がついたと思ったら別の検査では診断がつかなかったりということもあり得ます。
ですから、単に発達障害の有無やギフテッドかどうかを診断してもらうだけでなく、目の前にいるお子さんが、今、何に困っていてどんな助けが必要なのかを知っておくことが大切です。
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