それでも、子どもたちはがんばりました。最後まで一生懸命座っていてくれて、私は感激したんです。でもね、今ならわかる。子どもたちは私を喜ばせるために「ちゃんと座っていられる子」の役割を演じてくれていたんです。私はそれに気づかず、クラシックのよさを子どもに伝えたつもりになって満足していました。子どもたち、かわいそうに……。

子どもを連れていくべきクラシックコンサートとは?

――クラシックのコンサートに子どもを連れていくのは、まだ早かったのでしょうか。

 子どもに限らないのですが、クラシックが苦手な人って、「難解・時間が長い・静かに聴かなくちゃいけない」という三大要素で挫折することが多いんですよね。だから、子どもをそんな本格的なコンサートに連れて行って自己満足していた自分を反省しました。デートと同じで相手が喜んでくれる場所に連れていかなくちゃいけなかった。

――それはどんなコンサートなのでしょうか?

 本格的なものもいいですが、子どもでも知っている曲があって、1曲の時間が短めで、楽しく聴けるコンサートもいいですよね。今回、ご縁があって新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサート「Hello!! シネマミュージックin Summer」をお手伝いすることになりました。司会だけでなく、選曲や演出にも参加していて、『スター・ウォーズ』や『ハリーポッター』、ジブリ映画などの音楽を中心に構成しています。

 曲は身近ですが、演奏するのは日本有数の楽団です。本物の交響楽を全身に浴び、360度音楽に包まれるような、そんな感覚を味わってほしいと思います。今回は「オケかぶり席」と言って、子どもたちに舞台上に上がってもらい、指揮者の動きや演奏者の音を間近で感じてもらう仕掛けも用意しています。帰るときに、「クラシックって意外におもしろいなぁ」「楽団の人ってかっこいいなぁ」って思えるようになったら最高だなと思っています。

子どもの習い事で親が覚悟することは

――堀井さんはお子さんに、何か楽器を習わせていたのですか?

 娘にはかなり早い時期からピアノを、息子には幼稚園の年長のときにピアノとギターとドラムを一気に習わせました。

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