今は百円ショップやドラッグストアなどで、子どものお小遣いでも買える安価な化粧品が売られています。「安価=質が悪い」わけではありませんが、精製が不十分でかぶれやすい成分が含まれていることも多いため、注意が必要です。

 また、まつ毛をカールさせるときに金属製のビューラーが触れることで、金属アレルギーを起こすこともあります。

――なぜ子どもは化粧かぶれを起こしやすいのですか?

 子どもの皮膚はまだ成長の途上なので、大人に比べるととても薄く、皮膚を守ってくれる脂分を分泌する皮脂腺も未発達、免疫反応も未熟です。そのため、皮膚は乾燥気味で、十分なバリア機能がありません。大人でも化粧品かぶれを起こすことはありますが、刺激に弱い子どもの肌は大人以上にかぶれやすいのです。

 また、子どもは「化粧品に関する知識が不足している」ということも問題を大きくしています。大人は「化粧品でかぶれることがある」といったことはわかっているので、メイクをしたところに赤みやブツブツが生じたときは化粧品かぶれを疑って使用を中止したり、皮膚科を受診したりできますが、子どもは使い続け、悪化させてしまいます。またメイクは落とす必要があることや、普通の洗顔料では落ちにくいことを知らない子も多く、肌に化粧品が残ってかぶれてしまうことも少なくありません。

色付きリップクリームも注意が必要

――子どもの場合、具体的にどのようなトラブルが多いのでしょうか。

 よくあるのは、目元のトラブルです。二重や大きな目に憧れてアイメイクをする子は多いですが、まぶた周辺の皮膚は体の中で最も薄く、刺激に対してとても敏感です。

 二重を作る化粧品やつけまつげの接着材にはゴムラテックスが含まれていることが多く、この成分が原因でアレルギー反応を起こすことがあります。アイシャドウやアイライン、マスカラに添加されている色素などでも、目の周りに赤みやはれ、かゆみを起こします。

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