矢萩:長年働いている先生が多い学校ほど改革が根付くのは難しいですね。ただ入試が変わると入学してくる生徒が変わります。生徒のほうが先生より人数が多いので、新タイプ入試は、学校を変えるベースになると思います。
安浪:実は来月、久しぶりに志望校選びの本を出すんです。2018年に出した志望校選びの本の大改訂版なのですが、今回、この新刊のために改めていろいろな学校を調べました。そうすると、2018年と比べて校風がガラリと変わった学校がいくつもありました。先生もそうですが、生徒の質が変われば学校だって変わっていく。もちろん、なかにはほとんど変わらない学校もありますが、基本的に学校って変化していくものなんだな、生き物なんだな、ということを痛感しています。
矢萩:伝統校は昔ながらの文化があるので、恒常性があることが多いですが、今は時代のスピード感が昔と違ってものすごく早いので、時代に合わせてやっていこうとするとやはり変化をしていかざるを得ないものです。なかには変化をしていこうとしても、機能不全に陥っている学校もありますね。たとえば、ある校長の時は大きく改革を打ち出していたのに、内部で統制ができず、結局従来型の校長に戻ってしまったり。
安浪:家庭側からすると、校長の改革に惹かれて入学するケースもあるわけじゃないですか。それなのに校長が変わってしまって、元に戻ってしまったとしたら、裏切られた気持ちになりますよね。
「この先生がいるからこの学校」ではなく…
矢萩:だから僕はよく言っているのは「この人がいるからこの学校に行く」ではなくて、「この人たちがいるからこの学校に行く」っていう選び方をしようね、ということです。つまりある一人の先生がよかったからと言って、その先生がいなくなったら魅力がなくなってしまうように感じる学校選びはしないほうがいいです。ですから、できるだけ複数の先生と会ったり、話を聞いたりできる機会を作っておきたいところです。
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