現在、都立高校では学区制が廃止され、すべての学校から自由に選ぶことができます。都立高校の難易度ランクから大学の進学状況、さらに今、最も伸び盛りと言われている中堅校まで、都立高校の最新事情をみてみましょう。Xで「東京高校受験主義」として受験情報を発信する高校受験塾講師・東田高志さんの著書『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと』(Gakken)からお届けします。
【図】都立高校の入学難易度ランク、学校別の国公立大の現役進学状況はこちら(全3枚)東京都が指定する「進学指導重点校」
都立高校の入り口の話をしましょう。2024年現在、都立高校は学区制が廃止され、専門学科や定時制を含むすべての学校から自由に選ぶことができます。その中でも「進学校」に分類される都立高校を、東京都がいくつか指定校としています。進学指導重点校とは、東京都が学校の特色作りの一環として指定した、日本のリーダーを育成する7校です。それに次ぐ7校を進学指導特別推進校、15 校を進学指導推進校に指定しています。
これとは別に、塾の先生や受験業界が作り出した都立トップ校、2番手、3番手…という分類があります。こちらの分類のほうがよりリアルに都立高校の入学難易度のランクを表しているように思います。本稿ではこちらを採用して説明をしていきます(表1)。
都立トップ校は中学受験の「本郷・芝・鷗友学園」レベル
「都立トップ校は中学受験の御三家よりも難しい」という噂が流れることがあります。ある中学受験の塾ではそのように説明され、中学受験がお得であると勧誘されたそうです。真偽はともかく、都立高校を中学受験に当てはめるとどれくらいの難易度なのでしょうか。
中学受験と高校受験では母集団が異なるため、厳密に両者を比較することは不可能でしょう。しかし、大学附属校の偏差値を見比べることで、一定の信ぴょう性のある比較をすることはできると考えています。大学附属校は、その大学のブランド力で偏差値が確定するため、中学受験と高校受験で同じくらいの難易度になるからです。
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