「最初から診断名を伝える必要は、まったくありません。むしろ得意、不得意は何か、どんなお手伝いがあるとうれしいかなど、自分の扱い方を知ってもらうことが大切です」
その上で、ある程度理解できる年齢になったら「ADHD」「自閉スペクトラム症」といったキーワードを伝えておく。そうすることで、その後の人生においても、適切な支援にたどり着きやすくなると吉川先生。
「親が子どもより長生きをして、助け続けるのは、実際は難しい。だったら大人になったときに、自分で周りにサポートを求められるようにする道筋を作ってあげるのが、親にできる最善のことではないでしょうか。まずは自身の特性を知ってもらって、自分はそのままでいいとわかってもらうこと。そこから、どう困難に対処するのか工夫していくことを応援してあげてくださいね」
1. どこに相談する?
まずは学校や園の先生と連携をとる
小学校には、児童や親の困りごとに向き合ってくれる専門機関との連携があります。まずは担任に相談し、スクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーターにつないでもらったり、教育委員会の相談窓口を紹介してもらったりするとスムーズ。または市区町村の行政窓口から、育児支援担当者や児童相談所などにつながることも可能です。医療機関の受診についてもスクールカウンセラーやソーシャルワーカーに紹介してもらうと安心。
2. 受診する? しない?
受診するメリットや大変なことを知っておく
発達障害の有無を確定できるのは医療機関のみ。主に小児科や児童精神科での診断により発達障害の有無や種類が明確になります。確定診断に至らない場合は「グレーゾーン」と言われることも。いずれにしても特性に応じた支援が受けやすくなることが受診の最大のメリット。ただ、一度医療機関にかかると継続しての受診が必要になることもあり、通院の手間や時間、お金などがかかるので覚悟は必要。
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