「自分が間違えると激しく怒ってしまう」という6歳のお子さんを持つ親御さんからのお悩み。親は一度の失敗でめげないでほしいと思ってしまいますが、教育家の小川大介さんは、「完璧主義タイプの子にすぐに立ち直れ、と言うのはちょっと待って」といいます。AERA with Kids+の連載「小川大介の『才能が見つかる!』子育て相談」。小川さんに、親の心がまえや具体的な対応を教えてもらいました。(聞き手/AERA with Kids+編集長 鈴木顕)

MENU 「ちゃんとやりたい」完璧主義タイプ 「記憶力が高い」=「間違えた記憶も強い」 「間違えた」から「間違いを直せた」記憶に変えてあげる

「ちゃんとやりたい」完璧主義タイプ

――今回は6歳の息子さんを持つお母様からのお悩みです。

【相談内容】

 「中学受験に向けた有名塾の入室テストで、先生が間違いを確認したところ、息子が自分の頭を叩いたり、鉛筆を折ろうとしたり。『間違えちゃいけないんだ』と荒ぶってしまいました。間違いを認めて成長できる人間になってほしいのですが、どのような接し方をしていけばよいでしょうか?」

【お子さんの情報】

 息子さんは工作をしたり絵や文字をかいたりすることが好き。ほめられた時は「うれしい!」としっかり自己表現できます。初めての場所では緊張することが多いので、あらかじめ説明してから連れて行くそうです。

 聞いているだけでヒリヒリしますね。いい子だなあ。この情報から、お子さんの才能タイプを考えると、映像的な情報への反応力(=視覚)と、言語的なことへ反応力(=聴覚)がかなり高いと思います。この子が描く絵って、たぶんきっちりしてるんではないかと。塗り絵もきれいに塗るタイプだと思います。どこでわかるかというと、言葉への反応や文字というものへの「手続き的な手順」に関心が高そうだということ。

 加えて「初めての場所では緊張する」。親の期待に応えたいという感度が高いのでしょう。これは完璧主義な子によく見られるんですが、想定外のことへの警戒心が強いんです。「臆病」とか「チャレンジ精神がない」のではなく、手堅く仕上げることに関心が高い。「やるならちゃんとやりたい」という気持ちが読み取れます。こう分析すると、入室テストでの激しい表現は非常によくわかるし「頑張ってるな」と感じますね。

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