点ではなく、線で褒める

――怒った後は、どうフォローしますか?

 私が怒り方を間違ったと思うことなら、自分からすぐに謝ります。そのときに、子どもが何に対して謝られているかが伝わっていない可能性もあるので、「さっきの○○は間違ってた、ごめん」と具体的に伝えますね。

 また、勉強でダラダラしちゃった時などだったら、最終的にしっかり向き合う態度が見られたときに「最後までよく踏ん張ったな。かっこいいじゃん」などと必ず褒めますね。生活態度もそうですが、注意は1割にして、9割は褒めていくという割合を大切にしたいとは思っています。私もまだまだですけどね(笑)

 結局、褒め言葉が伝わる関係になっていないと、叱る言葉も伝わらないし、叱られ慣れた子どもは、その時間をどうやり過ごすかだけにしか考えなくなりますから。なので、普段から小さい褒めポイントを伝えるようにしています。

――子どもを褒めるのが苦手という親御さんも多いかもしれません。

 最近、自己肯定感があまり高くない子も多いですよね。「ちゃんと見ているよ」ということを伝えるためにも「点で褒めないで線で褒める」ことが大事だと思っています。

 例えば、「テストで90点すごいじゃん!」は、その瞬間を「点」で褒めています。それを「前、宿題で苦戦してた○○、できてるじゃん!」のように、過去のお子さんとの変化を言葉で伝えてあげることで、「線」で褒めることができるようになります。こうすることで具体的に褒めることができるので褒めパワーが増しますし、何より「ちゃんと見てくれている」という安心感を子どもたちが感じ取ってくれます。

 我々が思っている以上に、子どもたちは大人の言動を見ていますので、薄っぺらい褒めは逆効果になりかねません。だからこそ、線で褒めることを私自身も大切にしています。

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