メラニンや毛細血管が部分的に増える原因は、明らかになっていません。人種によっても頻度が異なり、日本人は青あざが多く、薄いものまで含めるとほとんどの日本人にあるとも言われています。一方乳児血管腫は欧米の乳児は5~10%にあると言われていますが、日本の乳児の場合は1%程度です。
「妊娠中の生活に問題があったのではないか、遺伝なのではないかといったことを気にされる保護者もいますが、そうしたケースはほとんどないと考えていいでしょう」(西本医師)
病気の可能性があるあざとは?
生まれつきあざがある場合、保護者としてはまず、それが病的なものではないかということが心配になるものです。
「あざの大半が皮膚表面のトラブルであって、病気がある可能性は極めて低いです。ただし、あざの数が多い、あるいは範囲が広い場合は注意したほうがいいでしょう。例えば赤あざが顔半分にあるといったケースは、脳や目の異常を疑ってMRI検査などで確認する必要があります。また、5mm以上の茶あざが全身に6個以上ある場合は、将来的にさまざまな合併症が出てくる「神経線維腫症(しんけいせんいしゅしょう)Ⅰ型」という病気の可能性があります」(西本医師)
病気の可能性がなければ、放置しても問題ないわけですが、あざが目立つ場所にあると、気になるものです。成長にともなって自然に消えるのか、治療しなければ消えないのか、治療するならどのタイミングがいいのかといったことは、あざの種類によって異なります。
成長にともなって自然にきえるものは
まず成長に伴って自然に消えるのが、色調の薄いお尻の青あざ「蒙古斑(もうこはん)」と乳児血管腫です。蒙古斑は、10歳くらいまでに消失するケースがほとんどなので、治療は必要ありません。
乳児血管腫は、生後数日から数週間で出現して急速に大きくなっていき、6~12カ月後にピークを迎えます。その後は5~10歳ごろまでに自然に消えていくのが一般的です。特に最初にうちは赤色が鮮やかで大きくなっていくため、保護者は驚いて乳幼児健診や小児科などで相談するケースが多いようです。そこで「自然に消える」という説明を受けると安心できますが、西本医師は「消え方の程度には差があることを知ってほしい」と強調します。
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