連載開始から今年で30周年を迎える『名探偵コナン』。4月12日には劇場版シリーズ27作目となる「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」も公開されました。そこで「週刊少年サンデー」編集部で青山剛昌先生を担当する編集者の堂本強介さん、舟本りあるさんのお二人に、マンガの制作秘話やコナンの魅力についてお聞きしました。小中学生向けのニュース誌「ジュニアエラ4月号」(朝日新聞出版)からお届けします。
【写真】「名探偵コナン」の遠山和葉の声役を務めた人気声優はこちら常にトリックを探す癖がついている!
ーー劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の見どころを教えてください。
堂本 ネタバレになってしまうので詳しくは話せないんですが、とにかくビックリ。ぼくもシナリオを読んで「え! そうだったの!?」と衝撃を受けました。担当編集者も知らなかった真実が明らかになります。
ーーそれは今から楽しみです!
舟本 今回の映画は、原作者の青山剛昌先生の「怪盗キッド、そして(服部)平次と(遠山)和葉を中心にしたい」という思いから始まりました。キッドの「真実」とは何か、そして平次と和葉は思いを伝え合えるのか? 胸キュン要素にも注目してくださいね。
ーー『名探偵コナン』のマンガは現在104巻。30年の長期連載ですが、担当編集者さんはどんな仕事をしているんですか?
堂本 「コナン」に限らず、担当編集者の仕事はマンガ家さんたちをサポートして作品を作り上げることです。企画の段階から話し合い、構成を練ったりネームをチェックしたり……。でも「コナン」の担当編集者はもう一つ、重大な仕事があるんですよ。それが、トリックのアイデア出し。インターネットやSNS、書籍などあらゆるものを調べて、「これならバレずに人を殺せそう」というネタを青山先生に伝えます。
舟本 私たちが拾い集めた情報を、青山先生が頭の中で、犯人のトリックやアリバイ作りに変換してくださるんです。だから私たちは書店や図書館で、「人を殺す方法」をひたすら探しています(笑い)。
ーーちょっと怖いですが(笑い)、青山先生と編集者さんが“三人四脚”で作るんですね。
堂本 ぼくはまだ担当して1年半ですが、連載開始から数えて15人ほどの歴代編集者がいます。みんな、「常にトリックを探す癖がついている」って言いますね。
舟本 先輩たちは、別のマンガ家さんの担当になった後でも、「これってトリックに使えないかな?」と気づくと、すぐに連絡をくれるんです。本当にありがたいです。