起業家で元クラウドワークス副社長の成田修造さんは「これまで失敗を繰り返してきたが、失敗して良かったことばかり」と言います。花まる学習会代表の高濱正伸さんと対談で、思春期に母親や兄がしてくれたこと、それらが自身にどのような影響を与えたかについて語ってくれました。子育て情報誌「AERA with Kids2024年春号」(朝日新聞出版)からお届けします。※前編<成田修造が語る、壮絶だった子ども時代 「父は失踪、母は脳出血。でも、みんなが想像するほど不幸でもなかった」>から続く

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人生の師匠のひとりは兄

高濱 大学時代の起業サークル仲間はみんな起業したの?

成田 起業家もいれば大企業に入った人、官僚になった人もいます。でも総じてみんな人生楽しそう。

高濱 それ、すごくいい話。きっとどの人にも「やらされ感」がないからだよ。自分の人生を動かしていく自覚と熱量があれば、どんな職業でもやっていける。そうでないと日本は変わらない。

成田 本当にそうですね。僕なりに「起業家精神」を解釈すると、「何かに依存せず自立して、社会や人のために目標を立て、リスクをとって行動する姿勢」なんです。言葉自体を最初に聞いたのは兄からなんですが。

高濱 お兄さんの存在はでかいね。

成田 兄がいてラッキーでした。僕には人生の師匠が何人かいるけれど、兄が最初かな。人生のポイントポイントで師匠を見つけると、生きるのがすごくラクになるのでおすすめです。いまはSNSでつながりやすい時代だから、自分からガンガン利用したらいいと思う。

高濱 親以外のいい大人と出会うのはとても大切です。ピンときたら自分でつかむ。そして話して、感じて、悩んで。

成田 僕はたまたま14歳がターニングポイントになりましたが、先生は「10歳」という話もよくされていますよね。10歳と14歳、それぞれがカギってことですか。僕、いま7歳と4歳の子どもがいるんで聞いておこうと思って。

高濱 10歳までは幼児の延長なんですよ。落ち着かなくてふざけることが大好きで。だけど10歳をすぎたあたりからガラッと変わって自己をもつようになる。講演でもよく話すけど、10歳までは徹底的に愛して認めて自己肯定感を育ててあげましょう。

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篠原麻子
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