近年は大学と教育などを協力して行う「高大連携」が盛んに行われ、中学入試に影響を及ぼしている。注目は法政大学との連携を拡充した三輪田学園だ。15年に隣接する法政大学と連携、さらに22年に新たな協定を結んだことで同大学への推薦枠が30人に拡大され人気が上昇、志願者が1685人から1924人に。順天は26年から北里大学と法人合併し、付属校となる。北里大学は医学部を擁する医療系の大学で、内部進学への期待感から志願者が、840人から1153人と大幅に増加している。獨協も獨協医科大学が医学部に10人の推薦枠を設けたことで人気が上昇。森上教育研究所代表の森上展安さんは、こう話す。
「大学入試は総合型選抜に移行しており、特に女子校では、年内に生徒の8割の進学先が決まる学校も多い。高大連携によって入学時に大学まで見通せるようになるのは魅力にうつる」
「理系」が好まれる理由
理系を標榜する学校も人気が集まっている。都内には理工系の大学付属校が東京都市大学付属、芝浦工業大学附属など6校ありいずれも人気だ。なかでも日本工業大学駒場は1874人から2187人に増加。工学科の生徒募集を終了し普通科に移行したことが好感を呼んだ。東京農業大学第一は25年から高校募集を停止し完全中高一貫化する。新校舎を建築中で、2192人から2688人と大幅に増加した。
森上さんは、昨今の理系重視を次のように解説する。
「産業構造の変化で、仕事の内容が圧倒的に理系に傾いている。現役で仕事をしている保護者は社会の流れを敏感に感じ取っており、選択肢の指標の一つになっている」
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