首都圏の中学受験率が調査開始以来初の18%超えとなり、活況を呈している。志願者が増えた学校の特徴とは。専門家に聞いた。AERA 2024年3月4日号より。

MENU グローバル教育に強い男子校人気 「理系」が好まれる理由 横浜創英の躍進

グローバル教育に強い男子校人気

 グローバル教育に本腰を入れる男子校が人気だ。志願者数が1720人から2524人に増えているのが佼成学園。グローバルコースでは欧米だけでなくモンゴルやベトナムなど、海外研修プログラムにアジア諸国も入れている。23年10月には、国際基督教大学(ICU)と高大連携協定を結んだ。

「ICUはリベラルアーツ教育に定評のある、女子校にも人気の大学。協定先として、男子校を選んだことで、話題になりました」(安田教育研究所代表・安田理さん)

 足立学園は1612人から2177人と大幅に増加。アフリカ・スタディーツアーとして、タンザニアでの植林活動やナショナルパーク・サファリ体験など、他校にはない取り組みを行っている。

 近年は大学と教育などを協力して行う「高大連携」が盛んに行われ、中学入試に影響を及ぼしている。注目は法政大学との連携を拡充した三輪田学園だ。15年に隣接する法政大学と連携、さらに22年に新たな協定を結んだことで同大学への推薦枠が30人に拡大され人気が上昇、志願者が1685人から1924人に。順天は26年から北里大学と法人合併し、付属校となる。北里大学は医学部を擁する医療系の大学で、内部進学への期待感から志願者が、840人から1153人と大幅に増加している。獨協も獨協医科大学が医学部に10人の推薦枠を設けたことで人気が上昇。森上教育研究所代表の森上展安さんは、こう話す。

「大学入試は総合型選抜に移行しており、特に女子校では、年内に生徒の8割の進学先が決まる学校も多い。高大連携によって入学時に大学まで見通せるようになるのは魅力にうつる」

「理系」が好まれる理由

 理系を標榜する学校も人気が集まっている。都内には理工系の大学付属校が東京都市大学付属、芝浦工業大学附属など6校ありいずれも人気だ。なかでも日本工業大学駒場は1874人から2187人に増加。工学科の生徒募集を終了し普通科に移行したことが好感を呼んだ。東京農業大学第一は25年から高校募集を停止し完全中高一貫化する。新校舎を建築中で、2192人から2688人と大幅に増加した。

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柿崎明子
ライター 柿崎明子

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