社会のテストでは、「大航海時代の『コロンブスの交換』が現在のあなたの生活にどのような影響を与えているのか書きなさい」という問題が出たこともあります。設問に対し、10行ほどでひたすら自分の意見を書かせるような問題です。2点満点で、必要な要素が入っているか否かで点数がつけられます。小学5年生の娘は外国人ということもあり、テスト中もGoogle翻訳を活用させてもらっています。問題文をPCに打ち込み、日本語に訳したものから答えを導き出し、再びGoogle翻訳にかけ解答を記入していきます。

手前にあるのはターキーだが、フィンランドのクリスマスでは「ヨウルキンック」と呼ばれるクリスマスハムが定番。ヨウルはフィンランド語でクリスマスのこと(Hさん提供)

Hさん フィンランドでも、自由記述の問題は多く、文章のなかに必要な要点が入っていればOK。パーフェクトであることよりも、必要な要素が入っているか否かが問われています。

Aさん テストは完璧主義ですね。たとえば理科のテストの場合、授業中に「この問題を聞かれたら、この言葉を入れて説明しなければいけない」というキーワードのようなものがあるようで、キーワードが入っていないと減点されます。決められた単語を使い説明しなければいけないのに授業を聞いていないとそれができないため、娘は「ちゃんと授業を聞いていない」と怒られたこともあるようです。

 選択式の問題もあれば記述式の問題もありますが、選択式の問題であっても単純な消去法では解けないようになっており、「満点は取らせないぞ」という作り手の意地を感じることもあります(笑)。一方、宿題は低学年のうちは週に2度出るかどうか。オンラインで出題されたものに解答する形式なので、親が丸つけをすることもありません。勉強に対しシビアな割に、宿題が重要視されていないのは意外ですね。

(取材・文/古谷ゆう子)

AERA with Kids 2023年 冬号

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