すみれちゃんも、いきなり発表内容を話し始めるんじゃなくて「これからすみれの発表を始めます!」って大きな声で言って勢いをつけるのもいいと思う。「ピーヤ」って言ってもいいしね(笑)。

 よしおと仲良しのさかなクンも、もともとは引っ込み思案だって話していた。だけど『TVチャンピオン』 という番組でお魚のかぶり物をしたら一気に心を解放できたみたい。さかなクンのように、何か自分を変えてくれるアイテムなんかを身につけるのもいいかもね。例えば、「カメレオンブレスレット」 みたいなのどうかな。「これを身につければ何者にでもなれる!」っておまじない付きのね。ブレスレットだと周りから見える可能性もあるから足首につけるアンクレットでもいいね。

■恥ずかしい過去は笑いにもなる

 相談文の最後に、「笑われたことが心に残っていてなかなか忘れられません」ってあるね。周りが冷やかしで笑ったのか、そうじゃないかはわからないけれど、ひとつ言えることは、笑われたことを一番覚えているのは自分ってこと。周りの人は、そのときは笑っていても忘れていることがほとんどなんだ。

 よしおは高校の卒業式で、みんなが退場するなか「ちょっと待ったー!」と言って壇上に駆け上がって「俺たちは教育に縛られてる!うおー!」みたいなことを叫んだんだ。なんでそんなことをしたのかは一旦置いておいて(笑)。自分のなかではすごくセンセーショナルな出来事だった。でも、高校を卒業したあとに同じ野球部だった友だちに「あのこと覚えてる?」って聞いたら「え、そんなことあったっけ」って言われて……(苦笑)。こんなに周りは俺のこと覚えてないのか、って悲しくなったよ。

 でもそれってつまり、周りはそれほど自分のことを気にしてないってことでもある。これが励ましになるのかはわからないけど、発表したときに何回も同じ言葉を繰り返しちゃったすみれちゃんのことをずーっと覚えていて笑ってくる人は相当すみれちゃんのことを気にかけている人だよ。笑われたことがなかなか忘れられなくても、「ま、でも周りはそんなこと覚えてないか」って開き直っていいと思うよ。

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