子どもに時間管理を身につけてほしいと思うものの、なんとなく「時間管理」というと、子どもは「大変そう」「めんどくさそう」と窮屈に感じてしまいがちです。でも、時間を楽しく、快適に管理できる「考え方」があるのです。大人になっても役立つポジティブな「時間の使い方」について、東京学芸大学附属世田谷小学校の木村翔太先生に聞きました。「AERA with Kids 2023年秋号」(朝日新聞出版)からご紹介します。
【画像】時間管理は自由になること、と子どもが思える方法とは?* * *
「時間管理」は、超ポジティブなこと!
「言わないと動かない」「時間が全然守れない」……。子どもの時間管理にまつわる不満や心配事は尽きないものです。
「自分で時間を決めて動けたり、時間をきちんと守れたりといった行動には、子どもの性格も大きく影響していると感じています」と話すのは、東京学芸大学附属世田谷小学校の木村翔太先生です。
「同じ学年でも、よく観察していると、きちんと決められたことを遂行することに『気持ちいい!』と達成感を抱く子どもは、時間で動くことができるようです。こんなふうに、時間管理には性格や好き嫌いが影響するものです」
たとえば大人でも、未読メールをたくさんためていても平気な人と、嫌な人とに分かれるもの。
「これも、時間管理と似ています。未読メールをためるのが嫌な人は、頭の中の机の上がつねにきれいで広い状態が気持ちのいいタイプ。たしかに、机の上は整理してなにもない状態のほうがすぐに次のことができますよね。だから、僕は子どもたちにもよく『整理することは、自由になることなんだよ』と話しているんです。これはそのまま、時間管理にもあてはめることができますよね」
時間管理とは、見方を変えると「自分が快適に過ごせる」工夫。これがわかると、子どもは時間管理に前向きになれるのです。
「時間管理と聞くと、子どもは『大変そう』『めんどくさそう』といったイメージを浮かべるかもしれません。でも、実は誰のためでもない、自分の自由の幅を広げることなんだと気づくと、がぜん態度は変わってきます」
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