「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は塾なし受験についてのご相談です。

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安浪:最近、このようなご相談、増えていますね。やっぱりコロナで対面授業だけが全てじゃないという価値観が広がり、そのなかの選択肢の一つに通信教育があるからでしょう。そのほか、いわゆる中学受験エリアではない地域のご家庭が中学受験したいとなったときに、通信教育は一番現実的な方法なのかもしれません。

矢萩:確かにそうですね。入試の方法も思考力型や適性検査型などがだいぶ増えてきたので、そういう意味では3年間、あるいはそれ以上かけて全ての科目を網羅的に勉強しなくても合格できるようになりました。2科目や1科目でも受験できる学校も増えてきてますし。そうなると必ずしも塾でパッケージ化された勉強をやらなくてもいいよね、というご家庭が増えてくるのは自然なことですし、僕はいいことだと思っています。

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安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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