険しい山登りにたとえられる小学校受験。準備が思うように進まず、感情に任せて子どもを怒鳴ったり、きつく叱ったりして自尊心を傷つけていないだろうか? 親の焦りや不安の感情を抑え、子どもの成長につなげる極意をお受験のプロ・伸芽会教育研究所所長の飯田道郎さんに聞いた。「子どもへの怒り」は、お受験における最大の壁の一つ、大らかな気持ちで取り組むべきという。『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2024」』(朝日新聞出版刊)』から抜粋して紹介する。
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極意1 正しい情報だけを分析しよう。過多な情報はシャットアウト
小学校受験は、入試内容や合格者数などの結果を公開しない学校が大半のため、合否に関して臆測が飛び交いやすい。「年度によってとるタイプを変える」「補欠は絶対まわらない」「きょうだい枠で埋まっている」……。ネット上にはお受験にまつわる情報が飛び交うが、「1年で段ボール○箱分のプリントをこなさないと合格は難しい」など、根も葉もない噂レベルの情報も。
飯田道郎さんは、「プリント漬けされた子どもをほしがる小学校があるでしょうか。常識的に考えればわかるのに、ネット情報をうのみにして右往左往する親が多い」と嘆く。
不安にならないように、正しい情報を得るには?
「まずはシンプルに志望校のホームページで選抜方法を見ること。教育方針やどんな子どもをほしがっているのかもわかります。わが子の合格体験記は、あくまでも個人の体験なのでまねしようとは思わないほうがいいでしょう」
情報に振り回されそうなら、ネット情報を一切シャットアウトして臨むのもよい。
極意2 よその子どもとの「比較グセ」は子育てを苦しくするだけ
焦りの原因の一つが「よその子ができているのにわが子はできない」というケース。
「親は同じ幼児教室になんでもできる子が1~2人いただけで、『自分の子だけができない』と落ち込みがちです」と飯田さん。完璧な子どもはいない。親が陥りがちな「パーフェクトチャイルド願望」は、不安を増大させ、子どもを苦しめるだけだ。
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