「たとえば子どもは、最初から片付けが上手なわけではありません。『こうしたら入るんじゃない?』と親がヒントを与え、ひとりでできたら『すごいね』と褒めてあげる。勉強ならやさしい問題や得意分野から解いて自信につながるようにしてあげる。クイズ形式にして楽しみながらやる方法もあります」と、飯田さん。いずれも「自分でできる」「賢くなると楽しい」という気持ちにさせてあげるのがポイントだ。

 これまで3千人以上の受験生をみてきた飯田さんは、「残念ですが一生懸命で真面目な親ほど、子どもの芽をつぶしています」ときっぱり。完璧主義な親は、常に「ちゃんとできていない」と自分を責め、心が不安定になりがちだ。お受験対策に入れ込みすぎないように、俯瞰力や自制心が必要だろう。

極意6 親が無心になれる時間を作る

 四六時中子どもと一緒にいては、親も追い詰められてしまう。「気を休めるためにアロマやヨガなど、リラックスできることを見つけるとよいでしょう」と飯田さん。自制心を鍛えるには「ひとりで今、この瞬間に集中できるもの」が効果的だ。

「合格した母親のなかには、子どもが寝た後、手芸をすることで無心になれる人もいました。時には、祖父母に子どもを預けて、飲みに行くのもありです」(飯田さん)

 一息つくことでわが子を客観視し、感情をコントロールできるようになるだろう。

極意7 吐き出しノートを作る

 「親がいくら頑張っても子どもがいうことを聞かないので叱る。もっと勉強しなくなる、という悪循環に陥る親子は多いです」と飯田さん。親が必要以上にピリピリしていては、子どもは「どうせ自分は無理」と萎縮し、自主性も育たない。

「子どもへの怒りが収まらないときには、ノートを1冊用意して、腹立たしい気持ちを書き出し整理しましょう。『あまりにひどい言葉で一冊が埋まっていたので、合格した後にすぐ捨てた』と話すお母様もいましたよ」

 怒り・焦りの原因は、子どもではなく親自身にあることを肝に銘じたい。

※AERAムック『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2024」』より

(文・柿崎明子)

【AERA English 特別号】英語に強くなる小学校選び 2024 (AERAムック)

朝日新聞出版

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ライター 柿崎明子

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