「積極的でないのは、やさしい性格だから」とポジティブにとらえたり、「○○は遅れているけど××は得意」と前向きに評価してあげたりすると、親も子どもも楽になる。

極意3 スケジュールを詰め込まず、柔軟に対応しよう

 常に時間とタスクに追われがちな共働き家庭の場合は、子どもと大人とは時間の捉え方が違うことを意識したい。

「同じ1時間でも親は勉強させたい、子どもは親に甘えたいと思うものです」と飯田さん。1時間しか時間がとれない場合は、プリント学習15分、あとの45分は遊びの時間に切り替えるとよい。

「疲弊しては全力を出せません。お絵かきや鬼ごっこ、草花や虫などの観察、料理など、遊びや生活をしながら勉強できることはいくらでもあります。一緒にいる間はたくさん親子で会話をしてください」

極意4 できない理由を分析し、「体験」を学びにつなげる

 がんばっていても、成長を感じられないときもある。

「そもそも子どもは小学校受験に対してやる気がありますか? お受験の空気感自体を嫌う子どももいます。『合格』にとらわれて子どもを追い詰めていないか、まず親が自分を振り返りましょう」(飯田さん)

 次になぜできなかったのか分析を。「幼児の発達段階には個人差があり、特に男子は女子に比べて成長が遅い。語彙も少なく、言葉では理解できないことも多いのです」と飯田さん。その場合はゆっくり丁寧に、体験を通して理解させてあげるとよい。

「たとえば頻出の鏡問題。ペーパーを解かせる前に、子どもと一緒に鏡に映った姿をスケッチしたり、時計ならどう映るかなど、バリエーションを変えたりして楽しみましょう」

 重さの問題も、物を手に持たせて体感してからスケールで測ると、幼児の理解は深まる。

極意5 賢くなると楽しい、自分でできるという気持ちにさせる

 お受験に受かる子どもに共通する特徴のひとつに、自己肯定感が高いことがある。この自己肯定感を高めるには「小さな成功体験」を積むことが大事だという。

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