夏休みの大型宿題・読書感想文。小学生の子どもから「書き方が分からない」と言われ、保護者自身どう取り組ませればいいのか見当もつかず、困っている人も多いのではないだろうか。文章コンサルタントの松嶋有香さんおすすめの読書感想文の書き方は「親が子どもにインタビューをして子どもの気持ちを聞き出しながら文章をふくらませる」方法。プロが教える小学生の読書感想文の書き方を紹介する。(こちらの記事は「AERA with Kids 2022年夏号」から再編集したものです。)
【図版】読書感想文、子どもの感想を引き出す6つの質問* * *
読書感想文で書くことは「自分が感じたことを自分の言葉で伝えること」
夏休み、なんとなく重い存在感を放つ読書感想文の宿題。本を与えてもなかなか読み進められず、子どもから「書き方が分からない」と言われ、保護者自身どう取り組ませればいいのか見当もつかない。どうにかしたくてもなかなかうまくいかない宿題ナンバーワンではないでしょうか。
「おそらくどのご家庭も『マス目を埋めなければ呪縛』が大きく、何をすることが読書感想文なのか、見えていないのだと思います。学校でも指導を受けるのは高学年。手探り状態でこの宿題をするのは大変です」
こう話すのは、毎年多くの親子に読書感想文セミナーを多数開催している、文章コンサルタントの松嶋有香先生です。松嶋先生によると、読書感想文とは「本をきっかけに自分と向き合う経験をする大切な機会」とのこと。
「自分と向き合うとは、自分の考えを持つこと。自分の気持ちがなぜ動いたのか、どう感じたのか、自分の言葉や感覚で伝えたいことを具体的に表現する経験です。その手段としてたまたま原稿用紙に書き留めるということなんです」
特に、書くことのハードルの高い小学生時代は「インタビューをして子どもの気持ちを聞き出しながら文章をふくらませるほうが断然やりやすい」と松嶋先生。
「会話しながら進めると多くの言葉が生まれます。『この子はここをそう感じたんだ。もっと掘り下げて聞いてみよう』という箇所をさらに聞いていく。すると文章が少しずつ肉付けされ、臨場感あふれる文章になっていくのです。インタビューが終わるころには何を書くかはほぼ固まっている状態になりますよ」
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