「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は子どもの疲れについてのご相談です。

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安浪:私が指導に伺っているご家庭でも、やはり6年生は疲れている子が多いですね。ただでさえ暑い中、塾と家の往復でメリハリのない日々だし、拘束時間は長いしで、子どもは飽きてしまうんです。お友達としゃべる時間もあまりなくてリフレッシュできないし。

矢萩:塾の宿題にも追われますしね。まずは睡眠がすごく大事だと思います。休みだから少し遅くまで勉強してもいいよね、と夜更かししがちですが、睡眠はしっかり確保してあげてほしいです。子どもだけじゃなく親御さんもです。子どもが寝てから塾のテキストと睨めっこしながら研究している親御さんもいますが、睡眠時間が足りないとつい子どもに厳しく当たってしまうこともあるので、そこは気をつけたほうがいいですね。

夏は全部走り切ることはできない

安浪:そもそも夏って、全部走り切ることはできなくて、絶対疲れる時期があるんですけど、このままではうまくいかないな、と察知したご家庭は、うまくリフレッシュを取り入れていますね。特に疲れの蓄積する夏後半に多かったです。近場のホテルに宿題持参で1泊して、ついでにちょっとしたアクティビティーで体を動かしたり。場所が変わると気分も変わりますから。子どもはビュッフェのご飯でもテンションが上がるし。「明後日から行こうか」と言うだけで元気になるんですよね(笑)。他にも、バッティングセンターで1時間思いっきりバットを振ったり、映画に行ったり、好きなDVDを見たりしてリセットをしているご家庭もありましたね。

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安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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