作文の苦手な子どもに書き方を教えるだけでなく、学校の先生に「教え方」も教える脚本家、舞台演出家の篠原明夫さん。大人が「書かせる」のではなく、子どもが一人で最後まで書き上げるためのメソッドとは? 現在発売中の「AERA with Kids 2023年夏号」(朝日新聞出版)から抜粋してご紹介します。
【図版】読書感想文、子どもの感想を引き出す6つの質問はこちら* * *
夏休みの宿題で、難易度ナンバーワンとも言える「読書感想文」。
苦戦する小学生に向けて、毎年夏に、読書感想文の講座を開催している演出家の篠原明夫さんは、子どもが一人で書ける方法があると言います。
「これまで講座に来てくれた子は1500人以上。何も、特別文章がうまい子ではありません。むしろ『この子は、感想文がまったく書けないんです!』と親に連れてこられる子たちが多いんですよ」と篠原さん。
しかし、ポイントを伝えれば、ほとんどの子が3時間で書き上げるというから驚きです!
「興味や関心に沿った本を自分で選び、主人公の気持ちや体験を自分に重ね合わせ、そこで生まれた考えを自分なりの表現で書く。これが読書感想文です。大人が横から邪魔をしなければ、必ずみんな最後まで書けます」
子どもの主体性を邪魔することなく、大人が上手にサポートする方法も、学んでいきましょう!
■篠原さんが教える読書感想文を書く5つのステップ
【ステップ1】自分で本を選び、本を選んだ理由をメモしておく。
推薦図書でも、内容に興味がなければ感想文は書けません。子ども自身がおもしろそうだと感じた本を選ぶことがポイントです。「表紙の動物がかわいかったから」「前書きを読んで興味がわいたから」など、簡単でいいので選んだ理由をメモしておくといいですね。
【ステップ2】読みながら、「よかったところ」にふせんを貼る。ふせんは3枚まで!
読んでいるとき、心が動いたシーンにふせんを貼ります。使えるのは3枚だけ。より印象的な箇所があれば、ふせんを貼りかえて三つに絞るのがポイント。低中学年には「おもしろいところ」「悲しいところ」「こわいところ」と書いた3枚を渡すのも手。「おもしろい」は「笑いのおもしろさ」だけでなく、気持ちが動いたところ、という意味です。
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