■地元の公立にどうしても行きたくない場合は…
矢萩:地元の公立が嫌な理由が積極的にあるのであれば、私立を考えてもいいと思うんです。でも別にそうではなくて、公立中高一貫を受けて、駄目だった時のために一応用意しておきましょう、みたいなモチベーションだったら、本当にそれは必要なのか、というところですよね。私立に行くよりむしろ地元の公立に行ったほうが選択肢が広がるかもしれない。そのあたりをきちんと開示して話し合ってみるのがいいと思います。さっきのお金問題もそうですが、「うちは3人いるので、出せるのはこれぐらいです」とか、「私立に行ったらこれだけお金がかかるのでお小遣いはこれぐらいになっちゃうかもしれない、旅行も減らさないと」とか、現実的な部分も考えてみる。
安浪:公立中高一貫校が第1志望というご家庭に私立の併願をすすめることもあるんですが、それは先ほど矢萩さんがおっしゃったように、地元の公立にどうしても行きたくない、というケースですね。もしかしたら、お嬢さんがいま一緒に勉強している友達の中に、私立を併願する子がいて、その子の価値観にフワッと影響されているのかもしれませんが、たとえばそのご家庭は資金が潤沢にあって、一人っ子かもしれません。「うちはうち」という価値観をしっかり持っておかないと、これからの人生でも周りのいろいろな価値観に振り回されてしまうことになりかねないかな、と。
矢萩:具体的に親子で話していって、今ここで私立に行かなくても高校や大学でちゃんと協力するからね、って言ってあげることで「それじゃあ無理に今、私立を受けなくてもいいかな」ってなる可能性は高いような気はしますよね。
安浪:あとは現実的な問題ですが、今まで公立中高一貫校の対策をずっとしてきているわけですよね。今から受かる私立がどれぐらいあるかを考えた時、お嬢さんの学力はわからないのですが、なかなか厳しいと思うんですよ。私立型の勉強は公立の適性検査型の勉強と全然違うので。
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