ちょうどいいタイミングで友人から薦められた『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』(玉居子泰子/著、白夜書房)という本を読んで、大人も子どもも同じ目線で意見や気持ちを出し合いコミュニケーションの壁を取っ払う、素敵な家族会議の数々に感嘆しました。
さきほど紹介した連載記事では、イライラを鎮めて一日の終わりを穏やかで幸せなものにするために、長男の発案で今日あったいいことを毎晩発表し合う会が発足しました。これもまた、自分の内面に向き合いアウトプットしているものですよね。
ホワイトボードに書いたり議事録を取ったり、そんな本格的なことはやっていないけれど、わが家のいいことを発表し合うたった数分の「夜の会」もまた一種の「かぞくかいぎ」になっているのかな。
以前の担任教諭から「静かな湖みたいな心を持っていますね」と評された長男。本人の心はあまり感情の波風が立たないタイプらしく、積極的に胸の内を明かしてくれることもないので、親としてはそれがまたイライラの原因にもなってしまうわけですが、それだけに波が立ったときには敏感。家族が公平に気持ちを出す夜の会を続けていくことで、ちょっとしたことにイライラしてしまう自分と、それをやめたい自分がせめぎ合っていることを言葉少なにですが伝えてくれるようになりました。
私は思春期に入りかけた10歳男子の心のトゲトゲを抜いてあげることはできないけれど、そのなんとも言えない心のざわつきを教えてくれたことに素直に感謝の気持ちを伝えました。
「自分のボスは誰?」
ビジネス理論を子育てに持ち込んでうまくいった話はあまり聞いたことがない、と冒頭で言いましたが、自分の内面にボスを1人常駐させるという長男の逆輸入的発想はアリかも。日々感情に振り回されがちな私はすぐにでも自分を統率してくれるリーダーを導入したいものです……!!(導入はできても運用できるかはまた別の話ですが)
朝日新聞出版