「AERA with Kids」2022秋号のコミックエッセーでは、毎分毎秒のように子どもにイライラし、どんどこ怒りをぶちまけてしまっている私、そしてくどくど追い詰めてしまう夫がこの状況を脱しようと試行錯誤した話をかきました。アンガーマネジメントのメソッド通りにはいかないものの、怒ってもいいけど笑っている時間が長い家族であるように努めていこう、という結論に達しました。
で、その後日談なんですが……。
いやぁ、やっぱり毎日断然怒ってる時間のほうが長いっすね(涙)。
勉強も手伝いもせずにだらけて過ごす長男にイライラ、調子のいい返事ばかりで出かける直前まで宿題をやってない次男にガミガミ、自分だけ怒られないように言い訳やチクリばかりする三男にうんざり……。そうそう簡単に笑顔の絶えない穏やかな家庭になんてなれませーん!
でも、そんなある日の夜、弟たちが寝静まった後にそっと1階に下りてきた長男が一言。
「ねぇ、お母さんのボスは誰?」
ボス?
えー? お母さんは個人事業主だから取引先はいるけどボスはいないかなぁ。上司という意味だと思って答えたのですが、どうもズレていたみたい。
「ボクはね」
静かに目を伏せて長男がぽつり。
「自分のボスって自分だと思うんだよね」
ほほう~、なんだか深そう! その心は?
「ボクの心の中にいるボクがなかなかしっかりしてくれなくって、ついだらだらしちゃうんだよねぇ」
なんだそれ!
結局、頭ではわかっているけどできていないことを他人のせいにもできないから、自分の中につくった別の自分に責任転嫁している話でした(笑)。もっと禅的な話が飛び出すかと一瞬どきっとしたのに。でも、自分の中に別の自分を持っておくというのは、感情をコントロールすることにおいてとても大事なことなのかもしれません。大人はついつい、ツールや方法など外に解決策を求めがち。だから他責にしてしまう。でも、子どもは大人が思っているよりじっと自分の内面を見つめているような気がします。
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