■保護者も一緒に体験授業を受けることが大事
日本の探究型教育の草分けのひとり、ラーンネット・グローバルスクールの炭谷俊樹さんは、「教室でのコミュニケーションの量がその場にいる子どもの好奇心の伸びと比例する」と言っていますが、それは中学受験でもまったく同じです。能力開発に直結するわけではありませんが、学びの「場」へのモチベーションがまったく変わるので、当然のことながら良い影響があります。
「場」は講師だけではなくどんな生徒がいるかによっても違いますし、当然部屋の造りや雰囲気も影響します。ですから、「場」との相性を確認する授業体験は必須です。保護者も教室の中に入って一緒に体験できれば理想的ですが、できない塾も多いので、窓から見るなり、授業前後の生徒たちの様子を見るなり、できる限り生の情報に触れてください。また、1分でもいいので担当講師と直接話をさせてもらってください。保護者の授業体験や見学を断る塾の場合、その大きな理由は、(1)講師を見せたくない(講師の実力やコミュニケーションに問題がある)(2)生徒を見せたくない(言動や態度に問題がある生徒がいる)(3)ペースを崩したくない(見学が入ることで、講師・生徒の集中力が乱れる) のいずれかになります。
(1)(2)の場合、担当講師と話したり、休み時間の様子を見ることである程度把握できます。一点注意したいのは、ベテラン講師や状態のいいクラスに優先的に見学や体験を入れる塾もありますので、入塾後に担当講師やクラスが変わる可能性についても確認しておくといいでしょう。
■最も重要なことは子どもと講師との相性
僕は、いくつかの大手塾・中小塾で指導経験、教室運営経験がありますが、外からいちばん見えにくい部分は教室スタッフや講師といった人材による違いです。よく指摘される中小塾の欠点として、塾長のカラーが反映されすぎるというものがありますが、逆にカラーが出ているほど、合うか合わないかがはっきりわかるので、判断しやすいと思います。大手塾の場合、教室ごとの個性が見えづらいので、保護者から見て合っているのかどうかよくわからないまま続けてしまいがちです。
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