当然ですがいちばん大事なのは担当講師との相性です。人間性や担当教科に精通しているかどうか、教え方や授業のスタイルはもちろん、声の好き嫌い、態度や目線、話し方や話すスピード、ルックスや雰囲気、清潔感などは実際に長時間授業を受ける生徒にとっては重要なポイントになります。そして何よりも重要なのは、生徒本人が信頼できるか、面白いと思うかです。実際、先生と相性が良ければ嫌いだった教科が簡単に好きになったりしますし、逆もまた然りです。
そして、保護者から見えにくいポイントとしては、講師側からも生徒に対して相性があるということです。合っていると思われている場合は目をかけてくれますが、合わない生徒だと判断している場合、生徒には伝わりますが、保護者までは伝わらず、やる気がなくなってしまっても生徒のせいになってしまうことがあります。様子がおかしいな、と思ったらすぐに子どものせいにせずに、さまざまな相性を確認してみることをお勧めします。
また、個人面談などの担当者が、授業担当者かどうかも注意が必要です。塾によっては、一度も授業を担当していないスタッフが面談を担当するケースも少なくありません。その場合、データ化された数値のみを参考にして面談をすることになります。受験生の状態は偏差値だけでわかるものではありません。経験にもとづいた定性的なプロフェッショナルの意見がものを言います。そのためには、その生徒と時間を共有し、ある程度のコミュニケーションを取っていることが必須です。
新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える 保護者のための「正しい知識とマインドセット」
矢萩 邦彦,矢萩 邦彦
著者 開く閉じる