中学受験は塾選びから始まるといわれるほど、塾との相性は大切になります。大手から中小までさまざまな塾があるなか、わが子にぴったり合う塾をいかに見つけるか、保護者の悩みはつきません。探求学習の第一人者として知られる「知窓学舎」塾長の矢萩邦彦さん編著『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本』(二見書房)から、塾選びの重要ポイントを紹介します。
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■保護者が子どもの個性を把握することの重要性
「うちの子はわたしに(パートナーに)似ているから○○なはず」そんな声をよく聞きます。経験上、性質や性格については当たっていることが多いですが、興味の対象や苦手意識に関してはかなり誤解があるように感じます。コンテンツ自体は好きなのに方法が苦手という場合も多いですが、それを見抜けていない保護者も意外に多いものです。
勉強法や塾との相性を判断するために最低限必要な情報は、競争やテストが好きかどうか、覚えることが好きかどうか、ひとりで宿題ができるかどうか、国算社理のなかに極端に嫌いな教科がないかどうか、極端に人見知りだったりコミュニケーションが苦手でないかどうか、そしてご家庭が子どもにどれだけ注力できるかです。そのうえで、大まかな目星を付けます。
塾によって授業の方法や、難易度はかなり違います。大手塾だけ見ても、予習禁止の塾、プリントベースの塾、宿題が大量に出る塾などさまざまです。中小塾を入れればさらにその幅は広がります。模擬テストの難易度や偏差値の基準も一様ではありません。通っている生徒のレベルや塾が推奨する教材のレベルなど、難易度にも相性があり、ちょっと難しいくらいのほうがやる気になる受験生もいれば、ちょっと余裕があるくらいでないとダメな受験生もいます。
目星を付ける際に注意しなければいけないのは、相性の悪さは発信されている情報からだいたい見当が付くのですが、相性の良さは体験しなければ絶対に判断できないということです。それこそ無数にある塾すべてを、片っ端から体験している時間はありませんから、通塾圏内で印象のいいものから体験を申し込みます。申し込みが電話の場合、その対応でもある程度相性がわかることもありますので、注意してみてください。
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