【攻玉社出身で英語教育に関わる30代男性】
「帰国子女だったため、英語力が損なわれない環境やカリキュラムと国際的で多様な価値観が認められ育まれる環境を、ということで両親が選んでくれました。もしその時受験していなかったら、中学でグレてたと思います。小学校6年の最後の30日を公立の小学校に通った際は、外国人扱いされてそれだけで結構ダルかったので」。「明確に大切にしたい価値観や伸ばしたいスキルがあったので、その点で受験する価値も明確だったし、学校選びにおいてもわかりやすい目的を持った選択ができたと思います」。進学後は「中高一貫で6年間だったので、時間的な余裕を持った生活を過ごせたと思います。高校受験してさらに大学受験となっていたら、部活や友人関係も、あとアメリカ文化から日本社会に馴染むのも支障が起きていたと思います」。
【女子学院出身で私立中高で働く40代女性】
「私の場合は中学受験で“知的好奇心”を知りました。学ぶ楽しさ、ほどほどに競う楽しさ、成長する喜びを教えてくれた気がします。学校の勉強だけでは、いつまでも勉強は退屈でつまらないものでしかなかったと思います。逆に、過度な競争や勉強に自分が耐えられないことを教えてくれたのも中学受験です。塾に通っていましたけど、シゴきが激しくて6年の秋に辞めました。その後はひとりで勉強して、ほどほどに成績を上げました」。進学後のネガティブな面は、「学校は手取り足取り勉強の面倒を見るわけではないので、学習面は苦労した」こと。ポジティブな面は、「その分自学の楽しさも発見できたので、好きな科目に打ち込めました。教師になったきっかけは、高3で先生の代わりに古文の授業をしたことでした。授業準備や実際の授業を通して古文の楽しさ、人の役に立つ喜びを知ったことで、弁護士志望から教師志望に傾きました。また私服の学校だったので、毎日服装を決めねばならず、嫌でもファッションセンスは定まっていきました。今でもファッションセンスが独特だと言われますが、そのときの影響です」。
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