絵本作家になって今年で10年が経ちますが、その間、誰も想像もしなかったようなことがたくさん起こりました。地震や災害、コロナ、戦争……。10年も経てば人間も世界も、もっと進んでいるものだと思っていたのに、実際は迷っていたり、わからなくなって戸惑っていたりするように感じます。そして、世界中の多くの人がこんな感情を抱いているのではないかなと思うのです。
『ぼくはいったい どこにいるんだ』というタイトルには、地理的なことだけではなく、「あれ? 我々人間はどんなことをめざしていたんだっけ?」「じゃあ我々は今、どこにいるんだろう?」といった気持ちがこめられています。大人として、人間として、大きな意味での新しい地図を描いてみる必要があるのではないかと。
この一冊がきっかけとなって、たくさんの人が自分の思いを絵や文字、地図などにかき表すことの面白さを体験してくれるといいなと思っています。
(取材・文/三宅智佳)
※3月31日発売の「AERA with Baby」(朝日新聞出版)でもヨシタケさんのインタビューを掲載しています。
【AERA with Baby】0歳からはぐくむ非認知能力 (AERAムック)
朝日新聞出版
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