子どもでも、いや、子どもだからこそ、小さな悩みをだれに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまうもの。そんなときはぜひ、聞かせてください。ズバッと解決してみせましょう。小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』で連載中の「小さなことでも気軽に! こなやみ相談室」。今回の相談は「どちらのお店に行ったらいいか迷うこと」について。回答者はコラムニストの石原壮一郎さんです。

【Q】近所に、やさしい店員さんのいる普通のたこ焼き屋さんと、普通の店員さんがいるおいしいたこ焼き屋さんがあります。どちらに行くのがいいか迷ってしまうのですが、どうしたらいいでしょうか?(ハルさん 大阪府/8歳)

■選んだ店がその日の「正解」 「いいところ」を全力で喜ぼう

 やさしい店員さんのいるたこ焼き屋さんも、おいしいたこ焼き屋さんも、どっちも素敵ですね。迷う気持ち、よくわかります。

 でも大丈夫。選んだほうのお店が、その日のハルさんにとっての「正解」です。しかも、迷う楽しさというオマケつき。

 お店にせよ食べ物にせよ街にせよ、いろんな種類の「いいところ」があって、優劣なんてつけられません。人間も同じ。勉強ができる、運動が得意、面白い、やさしい……。誰だって「いいところ」があり、そしてどの「いいところ」にも優劣はありません。あるように見えたとしたら、それは勘違いです。

 安心して、その日の気分でお店を選びましょう。「いいところ」を全力で喜んでしまえたら、店員さんのやさしさがたこ焼きの味を引き立ててくれるし、おいしいたこ焼きの味が店員さんを魅力的に見せてくれるはずです。

 やめたほうがいいのは、お店の不得意な部分に着目して、わざわざ不満をふくらませること。人間に対しても同じです。それは不幸への近道にほかなりません。たこ焼きは、人生における大切なことを教えてくれますね。

※月刊ジュニアエラ 2019年4月号より

ジュニアエラ 2019年 04 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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