というのも、とくに剣侍はダウン症というのもあり、決まった段取りで行動するほうがスムーズなので、家事ややることをルーティン化していたのですが、パパが「ちょっとおいで!」なんてそれを崩してしまうことが多発! ほかにも「食べたいときに食べるのがハッピー」なんて、夕飯前に子どもたちにお菓子を与えてしまったりして、「そうじゃないでしょ!」なんて具合でした(笑)。
ただ、そこも「察してほしい」では伝わらないので、話し合い。結果、今は夫が子どもたちや私にテンポに合わせてくれることが増えました。
■子どもたちと一緒に過ごせるのは今だけ
――美保さんは、スポーツジムの経営者でもいらっしゃいます。
夫は「決めたらチャレンジ! 考える時間がもったいないよ」ってどんどん突き進むタイプ。「いつかクロスフィットのジムができたらいいね」っていう話はしていたのですが、長女がまだ生後2か月というときに、場所を契約してきてしまったんです(笑)。もう、やるしかなかった。
私はやるからには自分でとことんやりたいタイプ。でも、仕事が終わらずに自宅でもパソコンをたたいていたりすると、イライラして子どもたちに当たってしまうし、仕事でミスも起こりがちで……。つくづく、お母さんの心の状態って大事だなあと悟ったんです。
だから、今の一番は私がハッピーでいること! 子どもたちと一緒に過ごせる時間は今しかないので、頑張りすぎずに“頼れるところは頼る”と決めて、今は夕方4時以降はパソコンは開かない。ジムは任せられる人に任せて、メリハリをつけて働いています。
――つい自分で何でもやりたくなってしまいますよね……。
でも、あれもこれもはできないんですよね。お母さんって何かと自分を犠牲にしがちだけれど、家族のハッピーには、お母さんのハッピーがカギ。だから、頼れることは頼る。仕事でも家庭でも「これをやったから、あれしてくれるよね?」なんて期待すると、期待が外れたときに悲しくなるので期待もしない。
そうマインドを切り替えるのに少し時間はかかりましたけど、今はパンクしそうになったら夫婦でちょっとお出かけし、「たまには夕飯が肉と白米だけの日があってもいいじゃない! カップラーメンの日があったっていいじゃない!」っていう感じで、ハッピーを第一に子育てを楽しんでいます。
(取材・文/竹倉玲子)
※「AERA with Baby 0歳からはぐくむ非認知能力」(朝日新聞出版)から抜粋
朝日新聞出版