4月の新学期から半年がすぎ、PTAの仕事も慣れてきた一方、来年度の本部役員の選出が始まっている学校も。PTAといえば、永遠に終わらないかのような委員決めの時間、ブラック企業並みの本部役員の負担など、「ありえない」話が今だにあふれています。昔からPTAはあったのに、今なぜここまでマイナスイメージがついてしまったのでしょうか?
「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版)では、PTAの現状やうまく付き合っていくための心得、PTA役員をすることのメリットについて、PTA問題に詳しいライターの大塚玲子さんに教えていただきました。
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「PTA役員といえば、昔は専業主婦の中でもやりたい母親たちが担っていました。しかし今や子どもの数も親の数も減るなかで、共働き家庭、ひとり親も増加しています。できる人の数が減るなかで、昔と同じようにPTA役員の仕事を回そうとするところに無理が生じているのです。そのような状況で公平という名の『みんなやらないとズルい』という空気が醸成され、昔なら役員や委員を免除されていたような厳しい状況の人にも網がかかるようになってしまいました」(大塚さん)
さらに、役員になったら毎日のように学校に通う、平日に仕事を休んで学校でおたよりを印刷しなくてはいけないなどの大変さばかりが噂になりがちに。そうして、経験の有無にかかわらず、「PTAは嫌なもの」というマイナスイメージが根付いているようです。
そもそもPTAは子どもたちにとってより良い環境を作るために、保護者が地域と学校と共に活動してきたもの。PTA不要論も聞かれますが、そう簡単になくすことはできないようです。いったいどう付き合っていけばいいのでしょうか?
「多くの学校では、入学と同時にほとんど強制的にPTAに加入することになります。そして活動内容もわからないまま、じゃんけんやくじ引きで委員をやるケースもあります」
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