実際クジラやウミガメの胃からはプラ容器が見つかっており、魚や貝、海鳥の体内からはマイクロプラスチックも検出されている。生態系への影響が心配だ。

 世界経済フォーラムの報告書では、年間800万トンのプラごみが海に流れ込んでおり、このままだと、50年までに、世界の海の魚の総重量を海のプラごみの重量が上回る、と警告している。

 使い捨てプラの禁止の方針は、イギリスやフランス、インドなど国レベルでも出ている。今年6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)でも、プラごみをどう減らすか、数値目標を入れた「海洋プラスチック憲章」が議論された。5カ国が署名したが、日本はアメリカとともに署名を見送った。「市民生活や産業への影響を慎重に検討する必要がある」と説明している。世界が協力し、対策をすることが求められる。(朝日新聞科学医療部・神田明美)

※月刊ジュニアエラ 2018年10月号より

ジュニアエラ 2018年 10 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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