――楽しむことで、理科離れを防ぐのですね。

 昨年夏に、専門家に依頼してデータサイエンスの特別講座を開催しました。募集したところ、30人集まればいいと思っていましたが、100人近く集まりました。SSだけでなく、本科コースやグローバル留学コースの生徒も、特に中学生が大勢参加しました。みんな関心はあるのです。

 実験はもちろんですが、学校全体にデータサイエンス系も、プログラミング系もできるサイエンスをつくり上げていきたい。「女の子だからできない」じゃなくて、「やってみたらできちゃった」を、証明するモデルになってほしいと思います。

――サイエンスを学ぶことで、どんな力がつきますか。

 実験は、そううまくいくものではありません。100失敗して、1つ成功すればいいほう。世の中で脚光を浴びている研究の基には、失敗が山ほどあります。科学とはそういうものです。実験を繰り返し、結果が出るまでやることで、うまくいかなくてもへこたれない力がつきます。

 実はその力は汎用性が高くて、社会に出て困難にぶつかったときに役にたちます。中高時代、サイエンスにがっつりと取り組んで失敗を繰り返しながらも目的に向かっていく、そういうタフな力を身につけてほしいのです。

■大学との連携を強化し五修生制度導入

――昭和女子大学の坂東眞理子理事長は、ジェンダー教育に熱心に取り組んでいます。大学との連携は。

 坂東先生は、女性にいろいろなところで活躍してほしいという思いがあり、必要と思うコンテンツをどんどん取り入れてくれます。大学には実務家の教員が大勢いて、学問だけではなく、社会とどうつながっているのか実践的な学びもなさっている。本科コースのなかには探究の授業のチームで大学の研究室を訪れて、そんな先生方に指導してもらっている生徒もいます。

 40年前から、高2までに卒業のための必要単位を取り、高3から昭和女子大で学ぶ「五修生制度」を取り入れています。飛び級だと高校の卒業資格が取れませんが、この制度なら取得するこができます。

 今年は6人、昨年は8人がこの制度を利用しました。先日面談したある生徒は国際的な公認会計士を目指しており、高3の1年間の余裕をその勉強にあてたいと考え制度を利用したと話していました。

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