車外カメラが映す画像の認識イメージ。前方の車両や標識などを画像認識する(写真:モビリティテクノロジーズ提供)
車外カメラが映す画像の認識イメージ。前方の車両や標識などを画像認識する(写真:モビリティテクノロジーズ提供)

 悲惨な交通事故を防ぐには、なによりドライバーの意識向上が欠かせない。その手助けをドライブレコーダーが担う。そんなサービスが広がっています。AERA 2022年4月11日号の記事を紹介する。

【写真】ドライブレコーダー本体の外向きカメラと車内向きカメラの様子

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 4月から改正道路交通法施行規則が順次施行される。

 運送業やタクシーなどいわゆる「緑ナンバー」の車を運行する事業者は、ドライバーに対して業務前後にアルコールチェックを受けさせる必要がある。この4月から、自社製品の運送を行う「白ナンバー」の車を一定台数以上保有する事業者も対象となる。

 白ナンバーのトラックによる飲酒運転が起こした痛ましい事故が引き金となった形だが、飲酒運転のみならず企業の安全運転管理に厳しい目が向けられていることは間違いない。危険運転をいかに減らし、事故をなくしていくか。企業が担う事故対策をより効果的かつ手間がかからないようにするため、今注目されているのが、AI(人工知能)を活用した次世代型のドライブレコーダーだ。

■癖を知って事故防止

 タクシー配車アプリ「GO」で知られるモビリティテクノロジーズが開発したドラレコ「DRIVE CHART(ドライブチャート)」は、AIを搭載した「事故防止支援サービス」が売り物だ。

 ドラレコといえば、あおり運転の被害に遭わないための自衛策としてつけている人が多いかもしれない。だがこの製品は、AIが画像を分析し、事故の原因につながる運転時の癖や気の緩みを事前に発見して改善することができる。同社の岡田拓也さんは「“ヒヤリハット”に至るもっと手前のところで、自分の危険な運転の癖を知ることができます」と説明する。

 仕組みはこうだ。

 フロントガラスに取り付ける小さな装置には車内外を映し出す二つのカメラが内蔵されており、脇見運転や速度に応じて必要な車間距離が保たれているかなどが検知できる。そうした「危険シーン」を感知すると自動でレポート化されるほか、危険運転の種類によっては、ドライバーに警報音で知らせてくれる。また、ドラレコの情報は地図やGPSのデータとも照らし合わせているため、一時停止違反や速度超過もわかる。

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