くら寿司の「祝の極上華ちらし」
くら寿司の「祝の極上華ちらし」

 2月も終盤になりましたが、まだまだ寒い日が続いています。日本海側や北日本では大雪になっているところもあるみたいですね。

 これまで何度も書きましたが、筆者は寒さが大の苦手。日々天気予報を見ながら、大阪でも最高気温が15度を超える日を心待ちにしています。3月になるとそろそろそういう日も増えてくると期待しています。

 3月といえば「ひな祭り」ですね。

 筆者は男兄弟しかいなかったので、自宅ではひな祭りのお祝いはしていませんでしたが、幼なじみの女の子の家のひな祭りに呼ばれるのを楽しみにしていました。

 ひな祭りの食べ物と言えば、ひなあられや白酒、そして何と言っても「ちらし寿司」ですよね。

 筆者の実家のある岡山では、酢飯の上に色とりどりの具材を乗せた、とても華やかな「祭り寿司」が有名です。鮮やかな錦糸玉子に、蒸し海老や桜でんぶ、さらにまぐろをはじめ、はまちや岡山名物のままかりの酢漬け、シャコなどの海の幸がこれでもかと乗っていたように思います。そして酢飯の中には、甘辛く味付けしたシイタケや酢レンコンなどが混ぜ込まれていました。

 ちなみに「ちらし寿司」とよく似たお寿司として、「ばら寿司」があります。これらの違いについてご存じでしょうか?

 正確には、酢飯の上に具材を置いた(散らした)のが「ちらし寿司」。具材を細かく切って、酢飯の中に混ぜ込んだのが「ばら寿司」とのことです。

 では、岡山の「祭り寿司」は、どちらになるんでしょうか?

「祭り寿司」の由来は、江戸時代に岡山藩主の池田光政が、領民に質素倹約するよう「食事は一汁一菜」とするよう命じたのに対し、庶民は「具材を混ぜてしまえば一菜じゃ!」という一休さん的なとんちから始まったと言われています。

 その後さらに、たまごや海老などの豪華な具材を酢飯の下に敷いて、見た目は質素ながら、食べる時にひっくり返せば豪華になる工夫をしたのが、現在の「祭り寿司」になったと言われています。

 ちょっと笑える、庶民の知恵といった感じですね。

 ということは、「祭り寿司」は、元々は「ばら寿司」だったのが、現在では「ちらし寿司」でもあるということになるんでしょうか?

 余談になりますが、ひな祭りに欠かせないもののひとつに「ひしもち」があります。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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ひしもちの由来は?