まもなく始まる夏休み。中学受験を控えた子どものいる家庭では、その過ごし方に悩むこともあるのでは。AERA 2021年7月19日号では、中学受験家庭に絶大な人気を誇るプロ家庭教師“きょうこ先生”こと安浪京子さんに、夏休みの過ごし方を聞いた。

AERA 2021年7月19日号より
AERA 2021年7月19日号より

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──受験生がいる夏休みの家族旅行はアリですか?

 もちろん5年生まではアリです。旅行先に計算・漢字ドリルを持っていくか、いかないかはご家庭のスタンス次第ですが、長い夏休み中、どこかで必ず学習ペースは崩れます。その崩れたペースを戻すのが、何より大事な勉強になります。長丁場となる受験期間中には、何度かペースが崩れるものです。ペースの戻し方はとてもシンプルで、計算・漢字ドリルといったルーティンに取りかかることです。ペースが崩れ、宿題がたまったからと親が焦って、課題を無理に増やすのは禁物です。子どもは嫌になって脱落してしまいます。崩れたペースを戻すのに早い子で1週間、普通で2週間から1カ月はかかります。時間がある夏休みは、焦らずじっくりペースを戻すことができます。

──集中力がもたなくて困っているという声も多いです。

 集中力を発揮できるかは、小さいうちから子どもが好きなものを見つけて、夢中になる時間をどれだけ取れたかにかかっています。たとえば家でお子さんが段ボールを使って工作に夢中になっている最中に「いつまでやっているの! 勉強しなさい」と口を出すのは、親が子どもの集中力を養うチャンスを奪っていることになります。夢中になることで、子どもはゾーンに入り、集中力や思考力を鍛えているんですよね。夏休みは、親子でお子さんが夢中になれるものを探してみるのもいいですね。ただし、ただ受け身で時間を浪費するゲームはNGです。

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AERA編集部
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